那古地区・船形地区

 シリーズ最初の今回は、江戸時代、平郡に属していた那古・船形の二地区をとりあげ、那古寺の門前として、あるいは漁港として発展してきた海岸部とそれを支えてきた川名、正木、亀ケ原、小原といった周辺の村がその対象です。この地区は、館山市全体の市域(109.81k㎡)の9.6%にあたる10.57k㎡の面積で、現在の人口は、10,869人で市の人口56,947人の19%にあたる人々が、ここで生活しております。しかし、人口の密度は、市街の船形と那古が圧倒的に高く、近年の都市化と道路の整備により正木と亀ケ原が急にふえる傾向がみられますが、山間部では、逆に少なくなりつつあります。

戸数のうつりかわり

旧町村名 天保 明治24年 世帯数
昭和14年・15年 現在
船形 245(寛政5年) 724 738 1,480
川名 155 156 180 256
那古 238 290 535 991
小原 46 40 40 43
亀ヶ原 69 63 91 137
正木 260 295 360 535
1,013 1,568 1,994 3,442
人口の変遷 那古・船形地区

地区展シリーズについて  

 半島最南端に位置する安房館山は、豊かな気候風土にめぐまれ、奈良時代には、安房国分寺が置かれ、戦国時代には、房総の戦国大名里見氏の本拠地となるなど、とおく原始・古代より多彩な歴史の年輪が重ねられてきました。

 館山市は、西に東京湾、南には太平洋に面し、富浦、三芳、丸山、千倉、白浜の町村に接しております。しかし現在の市域も町村合併の結果で、以前は、歴史的、地理的要因で、いくつかの旧町村にわかれていました。

 この企画展では、市民が歴史と身近かな地域の文化財に親しむと同時に、こうした館山の文化の文脈を探るために、旧町村の地区にわけて毎年シリーズで実施開催するものです。