(16)蓮寿院(相浜) 

 浄土宗の寺院で、境内に元禄16年(1703)に発生した房州沖地震の犠牲者供養塔があります。この大地震で、この村の86名の人が津波による被害をうけました。『諸色覚日記』という名主の記録によると、現在の寺は正徳4年(1714)に村の伊右衛門という人たちが願いでて、津波の跡地に村の寺として再建されたことがわかります。

◇交通 JRバス相浜下車徒歩5分

(15)布良砲台跡(布良) 

 幕末には異国船に対する警備が東京湾一帯で行なわれ、房総では文化7年に奥州白河藩が警備にあたって以来、各地に砲台や遠見番所などが築かれています。布良でも海に突き出す岬の地形を利用して、男神山に玉除け土手を築き、3門の大砲が備えられていました。幕府や武州忍藩・備前岡山藩などが立ち替り警備の任につきましたが、安政5年(1851年)の日米通商条約締結の結果、廃止されています。

◇交通 JRバス安房自然村下車徒歩15分

(14)海食洞と鍾乳石(布良)

昭和52年に安房自然村内の土木工事中に発見された海食洞穴群で、崩壊土砂に入口がふさがれていました。標高23.5mの所で、大小7つの洞穴があり、このうち3つの洞穴には鍾乳石が発達しています。大きなものは奥行きが12.5mあり、鍾乳石や石柱、石筍、ひだ状・カーテン状の石灰幕などがみられます。これらは沖積世の海食洞に、中新世の層に含まれる石灰分が浸み出して形成されたもので、県の天然記念物に指定されています。

◇交通 JRバス安房自然村下車徒歩1分

(13)十二所神社(茂名) 

 国常立尊を祭神として、毎年2月20日に祭例が行われます。現在はそれを里芋祭と呼んでいますが、オビシャのひとつで、その年の豊穣と安息を祈る神事です。地区全戸の30戸が2軒づつ組をつくり、19日に各組12個の「アカメ」といわれる芋を持ちより、二つの桶に90個づつ積み上げて、当番の家の神前に備えます。翌20日に神社へ芋を運んで祭典を行うのですが、昔は祭典とオビシャは別の行事で、20日に村祭、21日にオビシャを行なっていたそうです。その頃は各組で山積みした芋を持ち寄っていたそうで、壮観だったといいます。

◇交通 JRバス洲の宮下車徒歩15分

(12)洲宮神社(洲宮)

 安房開拓神話にまつわる神社で、安房神社の祭神天太玉命の后神天比理乃咩命を祀っています。西岬の洲崎神社と同神で、洲崎神社が拝所、当社が奥宮であるともいいます。もとは県道をはさんで反対側の魚尾(トオ)山に鎮座していましたが、文永10年(1273)の火災で焼失したため、現在地に移転しました。しかし現在の境内からも土製の鏡や勾玉・高坏などの祭祀土器が出土しており、遷座した現在地も古代祭祀遺跡であったことがわかります。社領は里見氏の時代に洲宮村に3石、洲崎村に4石を寄進され、江戸時代も幕府から洲宮村で7石を寄進されていました。境内出土の祭祀用土製模造品と洲宮神社縁起、南北朝時代の木造天部立像が市の文化財に指定されているほか、室町時代の御正体(懸仏)の像の部分が伝えられています。また毎年1月1日に農耕神事として行われる御田植神事も市の無形文化財になっています。

◇交通 JRバス洲の宮下車徒歩2分

(11)平砂浦砂防林造成記念碑(藤原)

 平砂浦の砂防の歴史は古く、元禄の頃から江戸時代を通し、明治・大正・昭和と三百年近くの間続けられてきました。西岬の小沼・坂井から神戸の布沼・洲宮・藤原・佐野・犬石までの村々は、柵を設けたり、砂防林を植栽しながら耕地を守り、開墾も試みてきましたが、砂の被害は防ぎきれませんでした。戦時中は軍用地とされたため、それまで人々が苦労してつくりあげた砂防林が伐り払われましたが、戦後は西岬・神戸の両村が団結して砂防林保護組合を結成し、県との協力で昭和24年から10年の歳月をかけ、昭和33年に現在の砂防林を完成させました。現在南房パラダイス前にその記念碑があります。

◇交通 JRバス南房パラダイス下車徒歩1分

(10)藤原神社(藤原)

 藤原地内にあった日枝神社と荒神社が合祀されてできた神社で、大山祇命ほか三柱を祭神としています。毎年8月10日の例大祭には、伊勢神楽の流れをくむ獅子神楽が行われ、集落を巡舞しますが、今日では年中行事として行うところは少なく、市の無形文化財に指定されています。また境内には、明治43年に建てた平砂浦開墾記念碑があり、平砂浦の飛砂とたたかってきたこの地域の人々の苦労を伝えています。

◇交通 JRバス安房神戸下車徒歩1分

(9)館山海軍砲術学校跡(佐野)

 昭和16年、広い砂浜をもつ平砂浦を一望する佐野に、主に陸戦隊の幹部要員を養成する目的で、館山海軍砲術学校が開校しました。既に館山市一帯は要塞化していた頃で、平砂浦も演習用地として使用され、砂防のため植栽した松林も伐採されてしまいました。正門から入って正面に館砲神社があったそうです。終戦後は施設を利用して房南中学校が開校されました。

◇交通 JRバス安房佐野下車徒歩1分

(8)佐野川のオオウナギ(佐野) 

 佐野川流域に生息するオオウナギは、日本最北限かつ最東限に分布するものです。原産地はオーストラリア・ポリネシア・インド・アフリカなどで、熱帯性の魚類です。黒潮にのって日本にも一部で生息しているのですが、佐野川は水量が一定し、水温がやや低く清浄で、流れが中断しない点が生息の環境をつくりだしているそうです。市の天然記念物に指定されていますが、大きいものは重さ4.3kg、体長1.18mのものが昭和33年に確認されています。

◇交通 JRバス安房佐野下車徒歩15分