人は亡くなるとお墓に埋葬されますが、お墓のかたちにはさまざまなものがあります。
安房地域では、古墳時代末期の横穴墓や鎌倉時代中期から南北朝時代にかけてつくられた武士の墓である「やぐら」のように山の中腹を穿った墓が特徴的です。墓か供養塔かは不明ですが、安東の千手院の「やぐら」の上には南北朝期の宝篋印塔が建っています。
現在は、石でできた家族単位の墓がよくみられますが、かつては土を盛っただけの墓や個人や夫婦の墓石もありました。江戸時代の村絵図には、土を盛りそこに塔婆をさした「土饅頭」が墓地を示す記号として描かれています。現在は火葬が主流でお墓にはお骨を納めますが、かつては多くの地域で土葬が行われており、穴掘りが掘った穴に座棺で埋葬されていました。
1.合口壺棺
弥生時代 当館蔵