4 あの世へのまなざし

死者は次の生まれ変わり先が決まるまでに、死出の山を越え、三途の川を渡り、十王の裁判を受けると考えられていました。初七日から七日ごとに裁判を受け、生前の行いにより六道(天道・人道・阿修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)のどの世界に転生するかが決まるとする考え方です。六道や十王の姿は絵に描かれ、それを見た人々は、地獄を恐れ、あの世の世界を想像して、十王や十王の1人である閻魔王(閻魔様)を祀りました。

また、十三仏信仰が盛んになり、追善供養を司る十三仏の姿が描かれました。なかでもお地蔵様は地獄からの救済者として盛んに信仰されてきました。

56.川名楽山「十三仏図」(部分)
明治15年(1882) 当館蔵