葬儀の後も、死者への弔いは続き、四十九日をはじめ十三回忌、三十三回忌、五十回忌などの法要を弔い上げまで長い年月をかけて行ってきました。
お盆には、仏壇やお墓を飾り、団子などの供え物を供え、新盆(しんぼん)の絵では高灯籠を建て、提灯や切子灯籠を吊るします。迎え火と送り火は死者をあの世から迎え、再び送り出す風習です。館山市から南房総市や鋸南町にかけては「やんごめくいくい」といえば迎え火と送り火の時に唱える文句で、行事そのものを指す言葉として広く知られています。
六地蔵や十三仏の巡礼もまた、祖霊の供養のための行事です。お彼岸や年忌供養などさまざまな行事で人々は集まり、葬儀にも使用した鉦を叩きながら「お念仏」を唱えました。
70.百万遍念仏数珠・鉦・鐘木
大正時代~昭和後期 当館蔵