6 変わりゆく供養

近年、葬儀の場は自宅から葬儀場へと移り変わっています。さらに令和2年(2019)から流行した感染症の影響で、家族のみで行う小規模な葬儀も増加しました。これまでにも葬儀や供養のやり方は政治的な規則や簡素化などの自主規制のなかで変わってきました。職場や家族構成、住居の都合から供養に関する行事は簡略化され、時には中止されることもあります。

しかし、死者への弔いが全く行われなくなったわけではありません。コロナ禍に対応した家族葬やペット葬など新しい供養のかたちも登場しています。これまでも人々は時代の変化とともに地域の風習を取り入れながら新しい葬儀や供養のやり方をつくりあげてきました。今後も供養は人々の暮らしの変化とともに変わりながら行われていくことでしょう。

85.安房郡矯風規約
大正13年(1924) 当館蔵(真田家文書)