当館は昭和58年の開館以来、安房地方の中核都市である館山市の、町の基礎を築いた里見氏の歴史と館山という地域の歴史的特性を紹介してきました。今年は里見氏が安房を離れて400年となる節目の年にあたることから、里見氏と館山という町の関連を紹介することといたしました。
この特別展では、里見氏が安房を離れてからの館山の町はどのような性格をもった町だったのか、里見氏の時代にどのように町がつくられていったのかを考えながら、豊臣秀吉・徳川家康に仕えた館山城主里見義康・忠義父子の時代を中心に、東京湾での湊機能を活かしながら館山城下町が成立していく過程を追い、安房の地に果たした里見氏の役割を考えます。
幕府のお膝元として江戸が成長を始めるなか、東京湾の入口にある館山がどのような意味を持ったのか、海という視点から町の歴史を考えていただける機会となれば幸いです。
最後になりましたが、本展覧会の開催にあたり多くの方々よりさまざまな情報のご提供と、貴重な資料のご出品をいただきました。ご協力を賜りました皆様に、厚く御礼申し上げます。
平成26年9月6日
館山市立博物館
館長 岡田 晃司