現在、世界的な企業となっている株式会社資生堂の歴史は、明治5年(1872)に福原有信が創業した日本初の洋風調剤薬局に始まります。この福原有信が、実は館山の出身であることをご存じでしょうか。
有信は、嘉永元年(1848)に安房国安房郡松岡村(現館山市竜岡)に生まれました。その後、江戸で医学を学び、幕府医学所に勤務します。明治維新後は東京大病院・大学東校・海軍病院に勤務し、薬学を専門としました。
こうした経験をもとに、有信は西洋で行われていた医薬分業の実践と、薬品の品質向上を志します。協力者を得た有信は、資生堂創業によってその実現を目指しました。また、帝国生命保険会社(現・朝日生命保険相互会社)や大日本製薬会社の創業にも関わりました。
福原有信は、私たちにとって郷土の偉人であるとともに、近代日本の医学・薬学分野にとどまらず、産業界に大きな功績を残した人物と言うことができます。

昭和41年(1966) 館山市立博物館所蔵