1.精錬(せいれん)
染めやすくするために、木綿糸を沸騰させたお湯の中で煮て、油分や汚れを落とします。汚れを落とすのに、およそ20分かかります。
2.糸を染める
植物の皮や実などを煎じてつくられた植物染料で糸を染めます。染料を舐めて、その渋さで仕上がりの色をイメージします。渋いほど色は濃く、ほんのりとした渋さや甘さのときは薄い色になります。味覚が大切なので、酒やタバコ、刺激物は厳禁です。染料をまんべんなく染み込ませた糸を絞り、さらに手のひらの上で軽く揉みます。
次に媒染剤(ばいせんざい)に入れます。染料と媒染剤に繰り返し入れることで色が濃くなります。
3.糸を干す
染め上がった糸は色別に竹竿に吊るし、半日ほど天日干しにします。
4.糸巻き
染めて乾燥させた糸は、かせかけ・座繰(ざぐ)りを使って小枠(こわく)に巻いていきます。
5.整経(せいけい)
一反の生地に用いる経糸(たていと)の本数を合わせて巾(はば)や長さを整えることを整経といいます。のりづけされた経糸を縞柄に合わせて数えて取り、紙縒(こよ)りで結んでまとめた上で整経し、くさり編みにしてまとめておきます。
6.綜絖通し(そうこうどおし)
経糸を縞柄のとおり一本一本綜絖に通します。綜絖とは、経糸の間に緯糸(よこいと)を織りいれるために、経糸を上下に動かすための機織の装置のことです。とても根気のいる仕事です。
7.筬通し(おさどおし)
綜絖に通した経糸を筬(おさ)に通します。筬とは、機織の装置で、経糸がもつれないように整え、経糸に通した緯糸を打ち込んで、引き締める役割を果たします。
8.機織(はたおり)
高機(たかばた)とよばれる機(はた)に糸をかけ、織っていきます。緯糸がしっかり打ち込めるので、むらのない、丈夫な生地を織ることができます。
管車(くだぐるま)で管(くだ)に緯糸を巻き、その管を中に入れた杼(ひ)(シャトル)が左右に勢いよく走り、緯糸が打ち込まれていきます。
経糸をずらしながら織り進め、織りあがった布は手前の棒に巻いていきます。
9.湯通し(ゆどおし)
織りあがった布は、のりを落とすためにぬるま湯に通されます。湯通しされた反物は、広げて干されます。
10.砧打ち(きぬたうち)
折りたたんだ反物を平らな石の上に置き、樫の木で作られた木槌(きづち)で、丹念に打ち込みます。木綿が柔らかくなり、織り目が締まって生地につやが出ます。
最後にぬるま湯に通して余分なつやをとり、反物が完成します。