唐棧織の小事典

●筬(おさ)
 機織(はたおり)の部品。経糸(たていと)を通して一定の幅にそろえておくのと同時に、経糸の位置を整えて緯糸(よこいと)を織り込むのを都合よくする道具です。

●川越唐棧(かわごえとうざん)
 略して川唐(かわとう)といいます。江戸時代の終わり頃、横浜で買った糸で舶来品の唐棧織を模して織り、川越唐棧と呼んだのが始まりといわれています。

●砧(きぬた)
 布を柔らかくしたり、つやを出したりするのに用いる木槌(きづち)と石の台です。

●棧留(さんとめ)
 棧留縞(さんとめじま)のこと。インドのサントーメから渡来した縞織物(しまおりもの)を棧留と呼びました。

●縞割り(しまわり)
 整経(せいけい)するときに織り出す縞柄に応じて、色糸を必要な糸数ごとに配列するための設計図です。

●整経(せいけい)
 機(はた)にかける前に、経糸を一定の長さと本数に整える作業です。

●綜絖(そうこう)
 機織の付属具。経糸を上下に開きわける働きをします。杼(ひ)の通り道をあける道具です。

●高機(たかばた)
 織機(おりき)の一つ。経糸が機に固定されているため、体を前後に動かして糸の張りを調節する必要がありません。

●経糸(たていと)
 織物の長さの方向の糸で、織機にあらかじめ張っておきます。そこへ直角に緯糸を組合せ、布を織っていきます。

●杼(ひ)
 木製で船の形をしている織機の付属具の一つで、中に緯糸を巻いた管(くだ)を入れて緯糸を通します。

●木綿(もめん)
 綿の原産地はインドやエジプトなどで、日本には平安時代に伝えられました。日本では三河木綿(みかわもめん)が有名です。唐棧織では主にエジプト綿や米綿(べいめん)、インド綿を使用します。

●緯糸(よこいと)
 織物の巾(はば)の方に織り込む糸。