ごあいさつ

令和7年(2025)は昭和20年(1945)に終戦を迎えた太平洋戦争から80年です。明治時代に始まった東京湾の要塞化は終戦まで続き、東京湾を防衛するため房総半島と三浦半島には多くの砲台が設置されました。

房総半島南部に位置する館山は砲台が設置され、市域の多くが東京湾要塞地帯に組み込まれました。また、東京湾要塞の砲台だけでなく、館山海軍航空隊、洲ノ埼海軍航空隊、館山海軍砲術学校など多くの軍事施設が建設されていきました。終戦間際には館山市船形に東京湾要塞司令部が移されています。さらに、要塞地帯内では、撮影や模写が禁止されるなど制限が設けられ、人々の生活にも影響しました。

本展覧会では、地域に残された資料から東京湾要塞地帯に組み込まれた戦時下の館山やその周辺地域を紹介し、地域の歴史について市民が学びを深め平和を考える機会としていただければ幸甚に存じます。

最後になりましたが、本展覧会の開催にあたり多くの方々よりさまざまな情報のご提供と、貴重な資料のご出品、ご協力を賜りました皆様に厚くお礼申し上げます。

令和7年8月2日

館山市立博物館
館長 内堀 哲也