「安房の人物シリーズ」は、郷土の歴史と文化を担ってきた人々を紹介するシリーズです。
第7回目は、刀匠・石井昭房(明治42.10.3~平成5.10.26)を取り上げました。昭房氏は本名を石井昌次といい、館山市安布里に生まれ、長じて栗原昭秀が東京赤坂に開設した日本刀鍛錬伝習所で古来の伝統技術を学びます。独立後故郷の館山に帰り、相伝備前の鍛法を生涯研究します。
また刀匠として活躍するだけでなく、故郷の歴史と文化の愛護に心砕かれ、館山城(市立博物館分館)建設の実現に奔走し、完成なった博物館においては、無料刀剣相談会を開かれました。
日本刀の衰退期に刀匠の道を志し、戦前戦後の混乱期の中を刀剣一筋に生きぬいた石井昭房の人生と作品を紹介いたします。
本書の編集にあたり、多くの方々より様々な情報をいただき、また所蔵者の方々には調査に快く応じていただきました。心より感謝申しあげます。
平成13年1月27日
館山市立博物館長 吉田信明