小文吾は対牛楼で別れた犬坂毛野を探してはるばる越後国小千谷(おじや)へやってきました。この辺も相撲が盛んで、田舎相撲の大関石亀屋次団太(いしがめやじだんだ)は小文吾の逞しい体格に感心します。
ある日名物の牛相撲を見物に行った小文吾は、結びの一番で大牛が暴れるのを取り鎮め、牛主の須本太郎(すぽたろう)から歓待を受けることになります。
石亀屋に滞在しているうちに小文吾は眼病を患って眼がまったくあけられない状態になり、そこへ短刀を隠し持った悪女船虫が、按摩に化けて襲います。
つかまった船虫を逃がしたのは事情をしらない八犬士のひとり犬川荘助でした。お礼をするといって船虫が連れて行ったのは盗賊の首領酒顛二(しゅてんじ)の隠れ家でした。またしても船虫は犬士に危害を加えようとするのでした。