最年少の犬江親兵衛は神隠しにより伏姫の神霊のもと富山で成長し、なんと9歳で悪者素藤(もとふじ)を討ち、里見義通を救出する大手柄をあげます。こうして最後の犬士が安房に登場しました。
里見義実の君命により、伏姫ゆかりの八犬士を探し求めて諸国を巡った丶大(ちゅだい)法師こと金碗大輔孝徳(かなまりだいすけたかのり)の旅も終わりを告げることとなります。諸国に武者修行を積んだ八犬士が安房の里見家に打ち揃って帰参したのです。
こうして宿願の伏姫の数珠「仁義礼智忠信孝悌」の霊玉はここに一つに集まりました。
八犬士は京の室町将軍から勅許を受けて金碗氏の名跡を継ぎ、安房里見家は領民とともにいよいよ盛んになりました。
こうした里見家の隆盛を喜ばない扇谷定正・山内顕定ら二管領の大連合が安房に侵攻してきました。国府台での信乃・現八の奮戦など八犬士の活躍で再び平和が訪れました。
八犬士はそれぞれ一城の城主となり、また美しい里見の姫君を娶りました。