おかげさまをもちまして、館山市が市立博物館を開館して、今年で10年目を迎えることができました。
展覧会等の事業の実施や調査活動等に当たりましては、全国のさまざまな方々にご教示ご協力をいただくことで、順調な運営を維持してまいりました。この10年の多大なるご支援に感謝申し上げたいと存じます。
この度はその10年を記念し、当館が展示・研究のメインテーマとしてまいりました戦国大名里見氏をとりあげ、戦国時代の房総の城について特別展を開催することといたしました。
海に囲まれ、深い谷が幾重にも縦走する房総半島において、安房国から上総国へと版図を拡大していった里見氏にとっては、領域支配や戦略の上からも、拠点とすべき城を数多く確保することが必要でした。里見氏は自らの居城を数度にわたって移し、また勢力下においた城と武将たちも数多くあります。
そうした里見氏ゆかりの城と城にまつわる歴史を、近年の戦国城郭の発掘成果も取り入れながら紹介していきます。里見氏の歴史と戦国時代の城について理解する場となれば幸甚です。
なお、 本展の開催にあたり、多くの方々よりさまざまな情報をいただき、また快く資料の出陳をご承諾いただきました。厚くお礼申し上げます。
平成5年10月16日
館山市立博物館長 松田昌久