富浦町豊岡の海岸へせり出した丘陵端に位置する。標高66mで、尾根上・中段・裾部に八つの郭と多数の腰曲輪がみられる。居館などの生活址は中段から下にあり、発掘によって中国製陶磁器などが出土したほか、掘立の高層建築があった可能性が指摘されている。
三浦・伊豆半島を臨み、後北条氏の安房直接侵政に対する海上防備の城で、水軍を備えていた。
里見氏の主力が上総に展開している間の、安房の押さえとして岡本に義頼が置かれていたものと考えられるが、天正6年(1578)の義弘死後に、義頼が里見家の後継者となるにおよんで義康までの本城となった。天正16・17年頃に居館が火災にあったことがあり、近習の岡本頼元等が出仕を止められたことがある。
![岡本城跡(富浦町)](http://history.hanaumikaidou.com/wp-content/uploads/2020/02/0010-019-01-01.jpg)
岡本城跡(富浦町)
![11.岡本城跡出土 カワラケ](http://history.hanaumikaidou.com/wp-content/uploads/2020/02/0010-019-01-02.jpg)
11.岡本城跡出土
カワラケ
千葉県文化財センター蔵
![11.岡本城跡出土 陶磁器片](http://history.hanaumikaidou.com/wp-content/uploads/2020/02/0010-019-01-03.jpg)
11.岡本城跡出土
陶磁器片
千葉県文化財センター蔵
(現蔵:財団法人千葉県教育振興財団)
![12.岡本安泰奉納祝詞(天正17年)<首部>](http://history.hanaumikaidou.com/wp-content/uploads/2020/02/0010-019-01-04.jpg)
12.岡本安泰奉納祝詞(天正17年)<首部>
那古寺蔵