(3)塩蔵寺(北条)

 真言宗の寺院で摩尼宝珠山塩蔵寺といいます。千倉町にある円蔵院の末寺で、古くは塩蔵坊と呼ばれ里見氏から5石の寺領が与えられていました。

 江戸時代には円蔵院の朱印地の一部となります。本尊の木造地蔵菩薩立像は南北朝時代末から室町時代頃に作られた古いものです。但し頭部は江戸時代の補修。境内には吾子老人の碑があります。吾子は松江出身の俳歌人で、嘉永7年に北条で没しました。文は芳斎高木敏、書は武蔵から北条に移住した俳人森岡半圭によるもので、文人の来住や地元文化人との交流の様子を知ることができます。

◇交通 JR内房線館山駅下車徒歩10分