江戸時代から地域医療を担う村医者は大勢いましたが、教養を身に付けている士族のなかには数は少ないものの、近代医学を学んで医師として自立した士族もいました。那古病院を開業した長尾士族の東誠一(嘉永5年・1852年生)や、高木医院を開業した長尾士族の高木勇次郎(慶応元年・1865年生)、勝山町に明善堂医院を開業した勝山士族の野呂偀臣(安政5年・1858年生)などが知られています。明治30年代には看護師になる女性士族も現れています。
また、仏教や神道などの宗教界に転身し、神職や僧侶になった士族もいます。