企画展図録
村絵図の世界
-江戸時代の村を歩く-
昭和63年10月8日(土)~11月27日(日)
館山市立博物館
和田町柴のツナツリ(綱吊り) 〔国道128号沿い、仁我浦と境を接する蟹田橋のたもと〕
村境あるいは集落の出入口にあたる道沿いに行われるいわゆる辻切りの習俗である。自分たちの住む村と外の世界を区切る場にワラで作った種々の形象物を下げ、外界から悪霊・悪疫が村に入ることを防ぐという。
安房地方では多くはジャ(蛇)・サンダワラ(棧俵)・わらじ(草鞋)・ゾウリ(草履)・サカダル(酒樽)・タワシ(束子)・サカバヤシ(酒林)などを組み合わせて下げるところが多い。
外から村へ入る者にとって、そこは村への入り口である。