山調は職業絵師として、注文のあるままに神仏画を描いたが、その中でも特に二十三夜講と庚申講の需要が多かったらしい。
描いていては間に合わなかったのか、これらのニーズに応えて、二十三夜神や庚申の本地仏としての青面金剛像などの仏画を刷るための版木も山調は残している。
庚申(こうしん)信仰
庚申の夜、人が眠ると体内にいる三尸(さんし)虫が抜け出して、その人の罪状を帝釈天に告げるという。それによって早死にするので、人々はこれを避けるために徹夜した。
それを守庚申、あるいは庚申待といい、俗説ではその三尸虫の本地が青面金剛で帝釈天の使者であるとされる。
庚申の夜にはこれら庚申の画像をかかげて般若心経などを唱えた。