天手力雄命を主神に三柱が祭神として祀られています。天手力雄命は『古事記』などでは天の岩戸を引き開け、天照大神を連れ出した神として知られ、拝殿にもその場面を描いた額が掲げられています。江戸時代までは大井大明神の名で尊崇され、天正12年(1584)には里見義頼が社殿を造営しています。現在の本殿は元禄大地震で破損したのを宝永年間に修理したものですが、蟇股や垂木の反り等に桃山時代の建築様式の特色がみられ、天正12年に建築した際の特色を随所に残しています。江戸中期の様式の特徴もみられますが、本殿は県の指定文化財になっています。里見氏は社殿の造営をはじめ社領も70貫を寄進しており、慶長期になると大井村のうちに43石余の社領を与えました。徳川幕府もこれにならって同じ石高を朱印地として与えています。10月9日が例祭、境内の大杉は市の天然記念物に指定されています。
◇交通 日東バス鴨川駅行九重大井下車徒歩5分