【3】世界平和祈願綴錦曼荼羅
 1.同信同行

 虚籟は一切の戦争犠牲者の冥福と世界平和を祈願する綴錦織浄土曼荼羅を織ろうと決心したが、この生涯の悲願はさらなる困難な人生の旅立ちであった。この悲願を成就すべく、彼の最後の順霊の旅に同行してくれるように、秋野に頼んだのである。

 師虚籟の願いを理解した秋野は、曼荼羅制作に人生の総てを賭けるのである。

 二人は仏教関係の専門書を読み漁り、実際に奈良・京都、各地の古刹を巡拝し、仏像を拝み、研究に没頭した。

虚籟著『曼荼羅行脚十七年手記』草稿

虚籟著『曼荼羅行脚十七年手記』草稿

 昭和15年の曼荼羅謹作発心から、当麻曼荼羅の研究と続く、一連の研究足跡が窺える。