5.南房総市 多田良の三つ道具(南房総市指定無形民俗文化財)

 南房総市の多田良の三つ道具は棒術・かっこ舞・神楽をあわせたものです。多田良は岡地区、北浜地区、西浜地区の三地区からなり、棒術と神楽は岡地区、かっこ舞は西浜地区が継承しています。それぞれ氏神として岡は天満宮、北浜は神明神社、西浜は熊野神社がありますが、地区全体の神社として滝淵神社を祀っています。なお、かつての村社は浅間神社でした。多田良の祭りは6月1日でしたが、昭和30年(1955)過ぎには富浦町の祭日である7月24・25日となり、現在はそれに近い7月第3土・日曜日となっています。

 かっこ舞は屋台とともに移動し、棒術、獅子神楽とともに熊野神社、滝淵神社、浅間神社、明神社、天満宮、竜宮様、源助商店前で踊られます。

写真28-1.滝淵神社
写真28-1.滝淵神社

<振り付け>
 3頭の獅子が山から下りてきた際に、祭りで子獅子が親獅子とはぐれて漁師にとらわれてしまいます。夫婦の獅子が、子を取り戻そうとしますが、返してもらえないため、しめ縄を切断しようとしたり、弓をくぐろうと試み、最後にはくぐり抜けます。子を思う親獅子の気持ちに心打たれ、人間が子獅子を返し、喜びの踊りで終わります。

写真28-4.多田良の獅子神楽
写真28-4.多田良の獅子神楽
写真28-5.多田良の棒術
写真28-5.多田良の棒術