北風原では、雨乞いの霊験があるとされる大山(鴨川市)の高蔵神社へ、古来から獅子頭と八大龍王の面が奉納されていました。天文年中(1530年代)の大旱魃に際し、里見義実が獅子龍王の面を用いた雨乞いを行ったことを契機に、安房各地の寺社仏閣でかっこ舞が行われるようになったと伝えられています。
北風原のかっこ舞は昭和29年(1954)に千葉県無形民俗文化財に指定されますが、昭和41年(1966)に中断されました。昭和51年(1976)に練習を再開し、昭和52年(1977)から奉納を開始し今に至ります。現在は毎年7月24日に近い第4日曜の春日神社祭礼時に奉納されています。3匹の獅子による踊り、男児によるささら、おかめや道化による踊りが行われ、雨乞いの踊りであると伝えられています。
隣の横尾地区と交代で請雨山(しょううさん)にある愛宕神社の前でかっこ舞を奉納していたため、横尾が愛宕神社で奉納となる年は、北風原は春日神社へ奉納していました。横尾地区のかっこ舞は現在おこなわれていません。