【2】霊巖上人所縁の寺々
 1.生実大巖寺

 龍澤山玄忠院大巖寺(りゅうたくさんげんちゅういんだいがんじ)といい、現在の千葉市中央区大巖寺町に所在する。千葉氏六党の第一、領主原胤栄(はらたねひで)が道譽貞把(どうよていは)上人(以下道譽と略称)に帰依して、生実(おゆみ)城外に建立し、道譽を開山に迎えた。

 檀林という当時の僧侶を養成する学問所で、大勢の優秀な学僧が道譽の下に集まった。また、関東寺院の中では徳川家康との関係が深く、天正18年(1590)江戸入国以前から禁制(きんぜい)や安堵(あんど)状をもらい、入国後は、幕府の祈願寺となり、100石の朱印地をもらった。

 第2世安譽虎角上人、第3世霊巖と高僧を輩出、関東十八檀林の一つとして栄えた。

大巖寺本堂

大巖寺本堂