(3)北下台(館山) 

 城山の北にある小丘を北下台(ぼっけだい)といい、明治大正の頃は館山公園と呼ばれ、景勝地として親しまれていたところです。頂上には金刀比羅神社があり、周辺には明治水産業の先覚関沢清明の碑をはじめ、数多くの記念碑が建てられています。関沢碑の側には関沢が捕獲したという鯨の頭骨(約3m)がありましたが、昭和の初め頃に湮滅してしまいました。鏡ヵ浦を見下す位置には大正6年に航路標識として建てられた正木燈も残されています。台地の南側には、安房三十四観音第三十一番札所の観音堂があり大層賑わったそうですが、関東大震災後仲町の長福寺に移されています。境内には江戸後期の画工で沼西ノ浜出身の勝山調の句碑があります。また神社裏に巨岩の露頭があり、そこには室町時代のヤグラがみられ、内部には5基の五輪塔が浮彫りにされています。江戸時代には真倉村の一部で、無民戸、村高六石の北下台村があり、六石台とも呼ばれていました。

◇交通 JRバス・日東バス館山小学校前下車徒歩5分