(17)白土坑(岡田) 

 明治から大正にかけて豊房では白土の採掘が盛んに行われ、飯沼・古茂口・南条・大戸・岡田・出野尾・東長田などの山林に採掘抗が点在していました。房州砂として磨砂・精米用に搬出され、一大産業となりましたが、昭和に入って精米への混入が禁止されると需要が減り、今ではクレンザー用に生産されるだけになっています。

◇交通 JRバス岡田口下車徒歩30分

(16)神余城跡(神余)

 神余小学校の北側にある山を城山といい、平安時代の保元物語や鎌倉時代の吾妻鏡に登場する神余氏の居城跡と考えられています。頂上は高さ1mほどの土塁に囲まれ、明治40年頃まではその内部にさらに高さ2m、方8mの土塁があったといいます。山麓には城之腰というところもあります。神余氏は15世紀中頃の嘉吉年間に家臣山下定兼に滅ぼされたといい、巴川の対岸には山下城の跡というところがあります。

◇交通 JRバス神余小学校前下車徒歩1分

(15)智恩寺(神余)

 曹洞宗の寺院で、神余山智恩寺といいます。本尊は木造地蔵菩薩像で、慶長8年、里見義康の開基と伝えています。里見氏から10石の寺領を充行われ、江戸時代もそれを引継ぎます。里見忠義の黒印状を伝えており、慶長18年に、本織の延命寺の要請で良鈯和尚が中興したことがわかります。欄間には初代武志伊八郎の彫刻が組まれています。

◇交通 JRバス下神余下車徒歩7分

(14)弘法井戸(神余)

 宇畑中の巴川の川中にあり、やや黄色味をおびた塩水を湧出することで古くから知られ、地元では塩井戸あるいは弘法水と呼んでいます。貧しい善意の婦人が弘法大師に小豆粥をふるまったが、貧しさで塩を入れられず、同情した大師がこの塩水を湧かせたという伝説があり、弘法伝説の典型として県の有形民俗文化財に指定されています。

◇交通 JRバス下神余下車徒歩1分

(13)自性院と御腹やぐら(神余) 

 瑠璃山自性院といい、真言宗の寺院です。もとは地蔵畑という山中にあり、山下定兼の反逆にあって自刃した神余景貞を葬ったという御腹やぐらの近くにありました。元禄地震で堂宇が倒壊し、現在地に移転したといいます。御腹やぐらには中世の宝篋印塔や五輪塔が今も残されています。現在の自性院は、大正大地震で倒壊した同宗の4か寺(自性院・安楽院・松野尾寺・来迎寺)を合併したもので、来迎寺を除く3か寺は神余氏ゆかりの寺院です。寺宝に旧来迎寺本尊の阿弥陀如来立像胎内に納められていた鎌倉時代の水晶製六角五輪塔形舎利容器があるほか、平安時代中期の木造阿弥陀如来坐像、旧松野尾寺の像で室町時代の木造聖観音立像などがあります。

◇交通 JRバス上神余下車徒歩5分・40分

(12)瑞龍院(畑)

 猿鹿山瑞龍院といい、曹洞宗の寺院です。瑞龍院は里見義弘の法号で、当寺の由緒は、天正5年5月28日里見義弘の開基と伝えています。墓地に里見氏の墓と伝える宝篋印塔がありますが、女性の法名が刻まれる天文25年のものです。江戸時代は朱印地6石2斗。里見義弘像と伝える木造頭部や初代武志伊八郎作の欄間彫刻などがあります。

◇交通 JRバス豊房下車徒歩100分

(11)山荻神社(山荻) 

 古くは歳宮明神といい、明治のはじめ今の社号に改め、その後永代村の永代神社も合祀しました。里見氏から山荻村に6石、南条村作名に2石の計8石を社領として充行われ、江戸時代も朱印地として引継がれています。境内には石棒が祀られ、周囲の台地上は宮原貝塚などの縄文遺跡が広がっています。また安政3年の手水石は邪鬼が担う姿の立派なものです。2月26日にはその年の作柄を占う御筒粥の神事が行われ、9月14日には八幡の祭に出祭することで知られています。

◇交通 JRバス豊房下車徒歩20分

(10)福生寺(古茂口)

 曹洞宗の寺院で、飯富山福生寺といいます。里見氏や江戸幕府から南条村で2石の寺領を充行われており、今も代官中村弥右衛門の証状を伝えています。室町時代の作と思われる木造虚空蔵菩薩坐像が祀られ、山門には後藤義光の彫刻があります。また墓地には非常に大きな房州石の五輪塔があり、里見義豊の妻のものと伝えられますが、それよりさらに古いもののようです。寺の西側には城山と呼ばれる中世の城跡があり、東隣には中世の五輪塔・宝篋印塔が散在する泉福寺があります。

◇交通 JRバス豊房下車徒歩20分

(9)南条城跡(南条) 

 八幡神社から西へのびる尾根を城山といい、里見氏の家臣烏山弾正が居城としたと伝えられており、烏山城ともいいます。標高50m、本丸から東へ続く尾根に大きな堀切が設けられています。城主烏山時貞の娘が里見家五代義豊の妻となったため、天文3年に義豊が稲村城で滅ぼされたとき、妻はこの城にのがれ、城の北方で自害したといいます。その場所に直径1m、高さ80cmほどの石積があり、姫塚とよんでいます。

◇交通 JRバス豊房下車徒歩10分

(8)南条東山横穴群(南条)

 南条の八幡神社後背に、字東山から八幡前、山崎にかけて、南面して38基の横穴古墳が群在しています。玄室の奥に一段あるいは二段の据台を設けたものが多く、玄室と据台の境界に、障壁をはめたと思われる細い溝が掘られているのが特徴です。八幡神社と反対側の斜面や、西へ数百mはなれた観音寺裏山にも横穴が散在しています。また八幡神社境内には沼サンゴ層があります。

◇交通 JRバス豊房下車徒歩10分