浦賀水道に面した安房の海岸からは、対岸に雄大な富士山の姿を望むことができます。直線距離で約100km。海の向こうに見える富士山は、安房の人たちにとって慣れ親しんできた景色のひとつでしょう。
さて、安房を描いた絵画のなかには、たびたび富士山が登場します。江戸時代の錦絵や海防関係の絵図、明治時代の案内図など、背景にさりげなく、しかし存在感をもって富士山が描かれています。
ここではまず、こうした絵画をとおして、身近な景観としての富士山を見てみましょう。
2 うちわ絵「房州保田海岸」
菱川師宣記念館蔵
3 富士三十六景
房州保田ノ海岸
当館蔵
6 房州鏡浦略図
当館蔵
8 和泉式部小式部霊塔
境内ヨリ鏡ヶ浦跳望之図
船橋市西図書館蔵
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那古寺が明治34年(1901)に発行した銅版画で、館山市那古の潮音台から鏡ヶ浦を見た図。よくみると右頁の絵馬の図柄はこれにそっくりで、このように既成の版画などが絵馬のデザインとしてはしばしば利用される。
7 鏡ヶ浦図
当館蔵