お焚き上げ

 富士講では、講ごとに毎月決まった日に法会を開く。この日には御本尊として、御身抜に小御嶽(こみたけ)様と食行身禄像の2幅を加えた「御三幅(ごさんぷく)」とよぶ3本の軸物をかけて、お伝えを読み上げるのだが、その際に密教の護摩焚のようなお焚き上げを行う。先達は焚き上げの炎で数珠や行衣のお清めをしたり、浅間様へのお伺いを書いた紙を燃やして、その灰の舞い上がり方で占いをするのである。残念ながら、資料の面では江戸から明治期頃の安房の富士講で、どの程度お焚き上げが行われていたかは判断できない。現在は千倉平磯の扶桑教会で行われているのみである。

お焚き上げの様子

お焚き上げの様子
(千倉町平磯の扶桑教)

68 山包丸渕講祭壇    (足立区立郷土博物館提供)
 江戸富士講のひとつ、山包丸渕講(足立区綾瀬)で使用された祭壇。焚き上げ用の火鉢と祭具一式が収納できる箪笥式のもので、文久年間に江戸橋の山包講から贈られたものである。

68 山包丸渕講祭壇
71 敬神法呪不可思奇大巻

71 敬神法呪不可思奇大巻
焚き上げの呪法を記した伝書。先達の「虎の巻」ともいえる。