山三(やまさん)講

 渋谷の山吉講から分かれた講で、講祖は山口三佐衛門(1804年没)といい、麻布に元講がある。館山市・富浦町・千倉町・三芳村などに見られるが、千葉県内で山三講の存在が確認されているのは、安房だけだという。どのような経路で安房に伝わったのかは不明だが、那古(館山市)の潮音台にある山三講中奉納の石宮は文化14年(1817)と比較的早い時期のもので、台座には70名以上もの講中が名前を連ねている。この石宮は、冒頭で紹介した銅版画 和泉式部小式部霊塔境内ヨリ鏡ヶ浦眺望之図」にも、「富士嶽神社」として描かれている。

山三講奉納石宮

山三講奉納石宮
(館山市那古)

92 山三講先達誠行所用数珠

92 山三講先達誠行所用数珠
個人蔵

93 山三講登山記念額  94 富士講名簿

93 山三講登山記念額  94 富士講名簿
いずれも個人蔵