木更津に元講があり、講祖は穐行日穂(1822年没)という人。千葉県内に広く分布しているが、安房では鋸南町を中心に、鴨川市・富山町といった北部に集中して見られる。鴨川市川代の山水講は現在も45軒あまりの講中をかかえ、毎月13日にツキナミを行い、8月1日には地元の浅間神社で山開きにちなんだ祭りを行っている。ここには文政9年(1829)の箱書きがされた御三幅が伝えられているが、この中の御身抜には「仙行ゆるし御筆取穐行書」とあり、講祖の穐行が書いたものであることがわかる。また穐行は、甲州・相州方面に多くの講をたてたという仙行真月(食行身禄の弟子・田辺十郎右衛門の子)の弟子だったと考えられる。