千葉県全域に見られる講で、館山市・鴨川市・天津小湊町・千倉町など安房でも広く分布している。講祖は江戸の修山禅行(包市郎兵衛)で、天明5年(1785)頃に講をおこしたとされる。禅行の弟子に上総国君塚(市原市)の正行真鏡(しょうぎょうしんきょう)(池田作佐衛門)という人がいるが、安房の山包講は文政年間頃に、この正行を通じて広まったと思われる。先に紹介した磯村の栄行真山をはじめ、安房の主な山包講先達は、みな正行の弟子である。現在講を続けている地区には、館山市の香(こうやつ)、神余(かなまり)、洲崎、千倉町の南朝夷(みなみあさい)などがあり、神余の山包講では安政年間から代々同じ家が先達を引き継いでいる。
正行真鏡坐像
(市原市・池田裕氏蔵)
96 富士講写真
個人蔵
97 山包講提灯
個人蔵
100 貯金通帳
館山市・山荻神社蔵
昭和元年の富士登山写真
(館山市・鈴木寿三郎氏蔵)
館山市香の富士講
(山包講)
館山市神余の富士講
(山包講)
館山市洲崎の富士講
(山包講)
鴨川市川代の富士講
(山水講)