(2)大巌院(大網)

 「仏法山大網寺大巌院」という浄土宗の寺院で、慶長8年(1603)に里見義康の帰依によって、雄誉霊巌上人を開山として創建され、安房における浄土宗触頭の寺院とされました。本尊は市指定有形文化財の木造阿弥陀如来坐像で、山門を入って左手にある玄武岩製の四面石塔と水向は、県の有形文化財に指定されています。元和10年(1624)の建立で、高さ約2m、幅約50cmの石柱の四面に「南無阿弥陀仏」の名号を和風漢字・インド梵字・中国篆字・朝鮮ハングルの4か国語で刻んでいるのが特色となっています。他にも市指定有形文化財の慈恩大師画像、十二因縁論など数多くの文化財があり、境内には雄誉上人の墓や元和10年の石燈籠もあります。里見忠義以降江戸時代を通して、42石の寺領が与えられていました。

◇交通 JRバス白浜行(豊房経由)青柳下車15分