(1)大福寺(船形地区) 

 「船形山大福寺」という真言宗のお寺で、崖の観音の名で親しまれています。本尊は、堂山(船形山)中腹の観音堂内陣の自然の崖に刻まれた十一面観音立像です。寺伝には、養老元年 (717)に僧行基が、東国巡歴の途中ここに立ち寄り、神人の霊を受け、船形山中腹に、漁民の海上安全を祈願して十一面観音像を刻んだことを開基とし、後に慈覚大師が寺門を建立したとあります。また、江戸時代の正徳5年(1715)旗本石川氏により庇懸式の観音堂に整えられたと言われます。安房国観音巡礼札所第三番の霊場として、また、風光明媚な館山湾(鏡ケ浦)を一望のもとに見渡せる観音堂のあることから、多くの人々が参けいに訪れます。本尊の磨崖十一面観音立像は市の指定文化財となっています。村社諏訪神社は、向ってすぐ左隣りにあります。

◇交通 日東バス・館山駅前発→崖観音前下車徒歩2分

大福寺(船形地区)