(2)臥龍松生息跡(塩見) 

塩見の観音堂境内には、「臥龍松」と書かれた石碑が立てられています。明治26年に柏崎の服部重右衛門が立てたもので、道標も兼ねています。かってここには松の巨木があり、北から南に向って巨幹を伸ばしていました。江戸時代終わり頃の記録には、高さ2丈、幹廻り1丈2尺、さらに南北24間、東西28間にわたって枝を広げていたとあります。土地では一烈松と呼んでいましたが、白河藩主松平定信が文化年間に安房を巡閲したとき、この松に感嘆して臥龍松と名付けたといわれています。古くから安房の名所として知られていましたが、大正大震災の頃に枯衰し、戦時中に消滅してしまいました。

◇交通 JRバス安房塩見下車徒歩2分