馬琴は八犬伝の執筆にあたって、その頃、広く出まわっていた『合類大節用集』や里見氏関係の「軍記物」からヒントを得て、イメージとして中国の伝奇小説『水滸伝』を頭に描き、更に各地の地誌や『房総志料』などを参考にしてこの長編を書きあげました。
『南総里見八犬伝』が評判をよぶと、その内容をまねた絵双紙が多数出版されました。絵双紙はカラフルな表紙で各ページには絵があり、更に全部ひらがなで書かれているなど分かりやすかったので、むしろ馬琴の八犬伝より庶民に親しまれました。
合類大節用集 館蔵
里見九代軍記 菊井堯晴氏蔵
房総志料 船橋市西図書館蔵
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八犬伝版本
八犬伝犬の草紙
仮名読八犬伝
八犬伝後日譚
今様八犬伝 八犬伝の絵双紙各種