戦国時代、その戦乱のなかから興隆してきた里見氏は、10代170年にわたり房総を支配しました。上野国を本国とする里見氏は15世紀中ごろから安房国で勢力を増し、房総地方で領土を拡大して、戦国大名として成長を遂げます。一族内部の抗争を克服した義堯・義弘のころに最も勢力を伸張し、関東での進出いちじるしい小田原北条氏と対立、常陸佐竹氏・越後上杉氏らと連帯して関東の覇権を争います。豊臣秀吉による天下統一後は、上総国没収のなか安房一国の大守として近世大名への変化をみせますが、江戸幕府によって伯耆国へ移封されました。