文政5年(1822)に海外から初めて日本へ上陸したコレラは、九州から急速に西日本へ蔓延しました。ひとたび流行すると数万人が死亡する、「コロリ」とも呼ばれた伝染病でした。安政5年(1858)には長崎の米軍艦から江戸へまで到達する全国規模の大流行があり、以降しばしば流行に見舞われました。房総でも明治10年(1877)以降頻繁な流行をみせています。猛威を振るった明治12年夏には、布良村で対応に当った巡査が感染して殉職しました。
また10年には鴨川で医師のコレラ対策を誤解した住民が、対応に当った医師を殺害する事件がおきています。
154.コレラ禍の和歌(明治11年)
島田純一氏蔵
155.コレラ病予防法心得(明治10年)
海老原斉氏蔵