薬の取次ぎ販売

 江戸時代も末の頃になると、全国的に評判の薬が手に入るようになる。小児薬王肝臓円は京都で製造された小児用の丸薬だが、長須賀村(館山市)の阿波屋重兵衛が取り次いで販売していた。癪に効くという妙法散は大坂の薬で、これも長須賀村で池田屋金七が取り次ぎ販売をしていたもの。遠隔地の薬も扱われていた。

46.小児薬王肝臓円効能書   島田純一氏蔵

46.小児薬王肝臓円効能書  
島田純一氏蔵

48.妙法散効能書   真倉区蔵

48.妙法散効能書  
真倉区蔵

47.一子相伝神秘體調湯効能書 当館蔵

47.一子相伝神秘體調湯効能書
当館蔵

 加戸村の安倍道栄が製した體調湯は、川名村(館山市西川名)の飯田屋が取次ぎ販売をしている。南朝夷村(南房総市千倉町)の住吉寺に残されていたので、人を介して薬が入手されたことを物語っている。

32.もぐさ(艾) 当館蔵

32.もぐさ(艾)
当館蔵