為朝大明神

 幟にある為朝大明神は、八丈島(史実は伊豆大島)に流されたとされる平安時代末の武将鎮西八郎為朝のこと。八丈島には疱瘡が発生しないことから、疱瘡神が為朝の力に恐れをなしたと考えられるようになり、疱瘡神を退散させる力を持つとされた。為朝大明神が江戸で開帳されると幟の先端に達磨やみみずくが取り付けられ、疱瘡除けのまじないとして使われた。大きく見開いた目で描かれたみみずくは、疱瘡による失明を防ぐ願いが込められているという。