階層分化のきざし

 弥生時代になり米づくりが本格的にはじまると、生産の安定によって余剰生産物が生じるようになり、一集落のなかにそれを掌握する中心的な人たちがあらわれはじめる。さらに、力のある集落が弱い集落を支配するといった、支配・被支配の関係が生まれてくる。

 安房では、加茂川・丸山川・平久里川などの河岸段丘上に遺跡が多くみられるほか、館山市神戸地区の海成段丘上、あるいは鋸南町田子台遺跡のように比高差80mもある丘陵上に遺跡がみられる場合もある。安房の複雑な地形に応じて、人々が生活していたことがよくわかる。