神々とのつながり
 縄文人の信仰
  信仰とは

 「信仰」とは、おもてに表すか否かの差はあれ、心のよりどころや生きていくための指針として何かを信じ、敬うということに関する“心の動き”といえる。

 縄文人が残した遺物や遺構のなかに、実用品とは思われないものや、何がそこで行われたのか、実証できないものがたくさんある。これらの用途や目的を説明しようとすると、たいてい「信仰」と結び付けて説明する場合が多い。なぜなら、縄文人にもその思想に基づく「信仰」があったという前提のもと、彼らが残したものに、それが表されていると考えられるからである。残されたものが、彼らの信仰をあらわすほんの一部だとしても、現代の私たちと比べると、ひとの誕生から死にいたるまでの間で、「信仰」が生活に深くかかわっていることが感じられるのである。