館山市大神宮の大塚貝塚から、土偶の破片と加曾利B式の異形土器が出土している。
大塚貝塚が形成された縄文時代後期になると、ミミズク土偶などがつくられるようになるが、土偶の大部分は女性を表現したもので、なかには妊婦を表したものがある。五体満足なものはほとんどなく、大部分のものが、手足がもがれたり、首や胴が砕かれているため、女性が子供を産む能力に関して、無事に出産し、子供もすこやかに育つようにと、願って行われた「いのり」と「まつり」のもとに壊されたものと考えられている。
異形土器は、器形からその用途が考えることができないため、その名がついた土器のことだが、石棒や土偶に伴い出土した例が知られており、非現実的な何か「信仰」に基づく行為に関連して使われたと思われる。
異形土器(館山市大塚貝塚) 縄文時代
当館蔵
土偶破片(館山市大塚貝塚) 縄文時代
当館蔵