都に特産物を送ったムラ
  千倉町健田遺跡

 千倉町瀬戸地区は、瀬戸川の河岸段丘上の海抜25mほどのところにあり、太平洋岸までは直線距離にして約1.7kmほどである。付近一帯は、平城京跡出土の木簡に記された「健田郷」に比定されており、「健田郷」がどこにあるかを解明するために、昭和49年以降発掘調査が行われている。健田遺跡というのは、薬師前・堀ノ内・駒形・稲子沢の各遺跡の総称で、付近一帯には、弥生時代後期から奈良・平安時代にいたる集落が、かなりの高密度で分布していることが明らかになった。奈良時代の住居跡から、畿内地方より運ばれてきたと考えられる土器などが出土しているが、今のところ「健田郷」であるというはっきりとした遺構や遺物はみつかっていない。

健田遺跡遠景
健田遺跡遠景