四季の幸を求めて

 日本列島を舞台とする生活は、何万年にもわたって繰り広げられており、この長い間には、自然環境も何度となく変化した。自然を変える能力をほとんど持ち合わせていなかった原始・古代の人びとは、自分たちの都合のよいように、生業を適応させていった。

 現代人は、生活条件の向上のために、山を削り、谷を埋め、生態系を破壊し、自然を征服したと錯覚するが、これが山崩れや、森林の砂漠化などの環境破壊を進行させている。現代人もまた、自然の支配から脱しきれないのである。