白浜町小滝涼源寺遺跡

 安房の古代祭祀遺跡のうち最古のもので、また他の遺跡とは全く異なる内容をもつ遺跡である。「まつり」の時期は、4世紀中葉から5世紀初頭にかけてで、多数の土師器を中心とした遺物が出土したが、なかでも滑石製模造品の出土は、安房では大変珍しい。鉄剣と玉類の出土は、なんらかの政治的な「まつり」が行われたことを示すが、後には石錘や釣針が用いられていることから、豊漁などを願う民衆の「まつり」へと内容が変化していったと考えられる。

白浜町小滝涼源寺遺跡全景(昭和62年調査)

白浜町小滝涼源寺遺跡全景(昭和62年調査)

土師器高坏(白浜町小滝涼源寺遺跡)古墳時代

土師器高坏(白浜町小滝涼源寺遺跡)古墳時代

石錘(白浜町小滝涼源寺遺跡)古墳時代

石錘(白浜町小滝涼源寺遺跡)古墳時代

(以上、朝夷地区教育委員会蔵)