横穴墓

 横穴墓は、丘陵部の崖面などに横穴を開けて死者の墓としたもので、東上総の一宮川流域や夷隅川流域は全国的にみても、横穴墓が多く分布している地域である。安房でも平久里川・丸山川流域に多く分布しており、多くが7世紀から8世紀代にかけてつくられたものである。

 横穴墓は、基本的に棺を納める玄室と、入口と玄室を結ぶ羨道(せんどう)からなる。入口は閉じられるが、何回か開閉して追葬を行うのが普通で、家族墓としての性格をあらわしている。また、群集するという特徴から、横穴墓は、一地域の共同墓地であったことがわかる。

館山市大井角田横穴墓実測図

館山市大井角田横穴墓実測図

須恵器提瓶(さげべ)(富浦町谷東横穴) 古墳時代

須恵器提瓶(さげべ)(富浦町谷東横穴) 古墳時代
富浦町教育委員会蔵