特殊な宗教文化の形成

 『古語拾遺』の『房総開拓神話』に示されているように、安房には忌部氏(いんべし)が集団移住したという伝承があり、神郡を有する安房神社を中心とした祭祀集団が結成され、安房国式内社6座のうち、5座までが忌部氏にかかわる神を祭神としている。  一方安房には、多くの祭祀遺跡が存在し、石製模造品の出土が少なく、土製模造品が多いという特徴から、古代の安房には、一種独特な宗教文化が形成されていたと考えられる。

安房の式内社と祭祀遺跡
安房の式内社と祭祀遺跡