鴨川市嶺岡(みねおか)の山中にあるこの遺跡から、8世紀の土師器(はじき)片や三彩(さんさい)、須恵器(すえき)、銅椀とともに、なんと古墳時代後期の毛野(けの)(群馬県と栃木県)で流行した青銅製の(七)鈴鏡(れいきょう)(参照)が出土しました。先に述べたように、6世紀代にまつりが行われた館山市のつとるば遺跡(参照)からも、土製模造ではありますが鈴鏡が3面出土していますので、もしこれ が奈良時代まで受け継がれたものだとすると、鈴鏡文化圏(参照)の彼方(かなた)の地で、鈴鏡使用のまつりが残されていたとも推測することができます。遺跡の性格については、火葬墓(かそうぼ)跡ではないかという推測がされましたが不明です。
31.鴨川市嶺岡七鈴鏡遺跡出土遺物
「長者」刻銘土師器
国立歴史民俗博物館蔵
31.鴨川市嶺岡七鈴鏡遺跡出土遺物
須恵器
国立歴史民俗博物館蔵
31.鴨川市嶺岡七鈴鏡遺跡出土遺物
須恵器
国立歴史民俗博物館蔵
31.鴨川市嶺岡七鈴鏡遺跡出土遺物
土師器
国立歴史民俗博物館蔵