コラム(1) -房総開拓の神話-

 『古語拾遺』とは、「古語の遺(も)れを拾う」という意味で、大同2年(807)に成立。朝廷の祭祀に携わってきた忌部(いんべ)氏が、祭政両面にわたり勢いをはる中臣(なかとみ)氏に対抗するため、正史にもれた同氏の伝承を編集。そのなかに「房総開拓神話」が記されているが、これをもとに昭和になり、寺崎武男画伯が、白浜町滝口下立松原神社の壁画殿に10枚の絵を描いている。